緊張して震えるのを抑える薬はこれだ!

あがり症の人は、大勢の人の前で話すことが過度なストレスとなります。緊張から体や声が震え、思うように声が出なくなることもあります。人前で話すことを訓練すればある程度は良くなりますが、性格的な影響も大きいので完全に不安は無くならないことが多いようです。普段とは違ったシチュエーションであることも緊張に拍車をかけますので、できるだけ人前で話す機会を増やして慣れることも大切であり、慣れてくれば徐々に落ち着いて話せるようになります。緊張しやすい人は自分の震える声を聞いて更に緊張度を高めてしまうことが多いので一度スイッチが入ってしまうと対処が困難ですので、そのような場面にならないように回避行動を取るようになります。
あがり症を克服するために話し方教室などに通う人もいますし、社内のプレゼンを自ら積極的にこなす人もいます。適切な対策を講じることで緊張の度合いを低くすることができますので、話し方教室などに通うのはとても良いことです。ただし、色々と努力しても思うような効果が見込めず、段々と人前に出ることが億劫になってしまうこともあります。何をしてもあがり症を克服できない、通常では考えられないほどの緊張状態に陥ってしまうという場合には、薬を利用するのも一つの方法です。
あがり症の人は対人場面での恐怖や不安が非常に強く、日常生活に支障をきたすほどのケースもあります。心療内科を受診すると社交不安障害という診断がつきますが、これは一般的によく言われている社会不安障害のことを指します。過度の緊張やストレス状態が長く続くと自律神経のバランスが乱れて症状が悪化し、声や手足の震え、発汗、赤面などが現れます。これらの症状が起こっている時には脳内では神経伝達物質であるノルアドレナリンが血液中に多量に分泌されており、自律神経の交感神経を刺激します。刺激されると心拍数が上昇して血液が高くなり、体温も急上昇しますので、自分でも緊張していることを強く実感します。震えが起こるのは体温を下げるために汗が出て筋肉が硬直するためであり、消化機能の働きは低下します。
あがり症の人が診療内科に通った場合、利用するのはSSRIと呼ばれるものが多くなっています。抗うつ薬の選択的セロトニン再取込阻害薬であり、セロトニンが減少するのを抑えることで不安や恐怖などのあがり症を改善してくれます。薬剤名はパキシル・デプロメール・ルボックス・ジェイゾロフトなどであり、効果を実感するまでに1~2週間ほどかかります。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬もあがり症の改善に役立ちます。薬剤名はデパス・コンスタン・ワイパックス・レキソタン・メイラックス・ソラナックス・レスタスなどであり、脳の中で感情をコントロールしている部分に働きかける作用を持ちます。神経の過度な興奮を抑えるガンマ・アミノ酸という物質の働きを高めることができ、気持ちを落ち着かせて不安や緊張を和らげます。基本的にはSSRIが第一選択薬となるのですが、効果が出始めるまでに少し時間がかかりますので、その間の症状を和らげるためにベンゾジアゼピン系抗不安薬が用いられることが多く、頓服としても利用されています。
他には、高血圧・狭心症・不整脈に用いられるβブロッカーと呼ばれるものも利用されることがあります。震えや動悸などの症状を改善できますが、低血圧症や喘息持ちの人は使えません。医師は適応となるかを確認してから処方してくれますので、処方されれば問題なく服用できます。
これらを利用することで効果的な対処療法が行えますのであがり症で悩んでいる人にとっては有効な選択ではありますが、副作用もありますので服用する場合には注意しなければなりません。症状が出ること自体には困っていても、副作用や体への影響を考えてあまり飲み続けたくないと考えて漢方を選択する人もいます。
東洋医学においては動悸が起こるのは気がつまるためだと考えられていますので、気のつまりをスムーズにする半夏厚朴湯がしばしば用いられます。また、気分の高まりを抑える抑肝散もあがり症の諸症状によく効きます。漢方の良いところは、長く飲み続けても依存性がない点であり、体質を改善しながら症状を緩和しますので根本的な解決につながります。ただし、症状の軽いうちなら飲み始めてすぐに効果が現れますが、少し重い症状になると半年から1年ほどかかるのが普通ですので、症状の度合いによっても何を選ぶべきかが異なります。極度のあがり症になると、改善するまでに2~3年もかかってしまうケースがあります。
あがり症自体は治らない病気ではありませんので、悩んでいるのなら一度医療機関を受診してみることが大切です。対処法があると分かるだけでも気持ちが落ち着きますし、いざという時に薬という強い味方があれば意外と乗り切れるものです。精神的な面が強く作用するあがり症のような症状には、安心できる環境にすることが何より大切です。

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