ワイパックスは緊張からくる震えを抑える?その効果・副作用は?

緊張から発生する震えを抑える場合、様々な薬を使って抑えにかかります。例えば本態性振戦のようなケースではβ遮断薬を用いて症状が出ないようにします。ところがβ遮断薬では喘息持ちの人には利用できず、制約があります。手術で治療するにも少し規模が大きくなり、体にも負担が生じます。そこでβ遮断薬以外の薬を使って緊張からくる震えを抑えていかなければなりません。そこで登場するのがワイパックスです。

ワイパックスは気分をリラックスさせて、不安を感じさせないようにする抗不安薬です。緊張感を和らげてくれるためそれによる震えが発生しないようにしてくれます。うつ病などの精神的な病だけでなく、全身に症状が出るような心身症に関しても効果的です。心身症は精神的な要因で発生する病気であり、精神科や心療内科以外でも処方されます。メカニズムとしては、ベンゾジアゼピン受容体と呼ばれるところに働きかけてGABAの動きを強めます。GABAは神経伝達物質であり、リラックスする際に活性化する物質です。GABAがくっつきやすくなり脳内に入っていくとリラックスしやすい状況となっていきます。

他の抗不安薬同様、抗不安作用や抗けいれん作用などが認められており筋肉の緊張を緩和させるために緊張型頭痛などにも効果を発揮します。うつ病などで悩んでいた人が薬の服用をきっかけにこれまで悩んでいた肩こりなどに効果を発揮して楽になったという人もいます。緊張状態であることはそれだけ交感神経が働いており、リラックスさせていくことで交感神経を抑えられることからも複合的な要因で筋肉の緊張状態を緩和できます。ただ筋弛緩作用だけを見れば少し弱いため、不安を取り除くことで緊張をさせないようにすることがメインと考えて大丈夫です。

ワイパックスの特徴は安全性が高く、依存性が低いことです。依存性の高さは作用時間が大きく関係し、短時間型と呼ばれるものが依存性が高くなりやすいです。服用してすぐに効果を実感できるだけでなく、抜けた時の感覚も早いため飲まなきゃいけないという気分にさせてしまいます。ワイパックスは中間型とされており、1時間から3時間の間にピークを迎えて12時間は効果を持続させます。最短で6時間は持つとされており、いつ効果が切れるかはよくわかりません。そのために依存性は少なく、1日1回から3回程度飲めばなんとかなるような形で試していけます。

安全性が高いということは重い副作用が生じる可能性が低いことを意味します。ただ依存に関してはどの薬にもあり得るもののため、依存性が低くても注意が必要です。特に長期間にわたって薬を飲み続けることで体が慣れてしまうことがあります。その段階で薬を飲むのも止めた場合には強い不安感に襲われて緊張からくる震えが悪化することも十分に考えられます。止めることで手足の震えが生じることもあるなど、その場合は依存状態であることは明らかです。そうならないためにも薬を減らすのにも計画性が求められていきます。

筋弛緩作用が弱いのがワイパックスですが、抗不安薬にありがちな副作用の1つであるふらつきも起こりにくいです。また肝臓への負担が少ないのも大きなメリットです。本来薬は肝臓で分解されていくため、かなりの負担を与えます。しかし、ワイパックスは肝臓の影響をあまり受けずに水に溶けながら腎臓から出ていきます。肝臓の負担が大きくなるため、お酒を飲む人などはその処理が結構しんどくなる中で肝臓の負担を避けたい場合にはおすすめの抗不安薬です。それでいて即効性も比較的あるため、抗不安薬のいいところだけをまとめたような薬とも言われています。

注意したいのは飲むタイミングです。6時間から12時間は持続するため、寝る前に服用すると起きてもその影響を受ける可能性があります。睡眠の質を落とすと言われ、しかも抜けるのには多少時間がかかります。1日経過してもまだ多少は残っており、継続して飲み続けることでどんどん体内にたまっていくことが考えられます。3日間飲み続ければ安定するため、これをキープしている時に薬物療法以外で治療を続けていくことになっていきます。不安が強い人やまだ緊張からくる震えが軽い人などはワイパックスを使って治療を進めていくことがいい場合もあります。

ワイパックスのいいところは水などを必要とせずにすぐ服用できる点です。舌下投与と呼ばれる形ですぐに服用できるため、不安に襲われたとしてもすぐに利用できます。不安が出た時に使う頓服の形なら副作用や依存などを気にせず服用可能です。特に高齢者は緊張からくる震えを感じやすいとされています。高齢者は肝臓の機能が落ちており、そうした人にもおすすめです。あとはお酒と一緒に飲むなどのことを避け、医師に言われたまま飲んでいけば安全です。ワイパックスは飲むタイミングさえ気を付ければ、非常に安全性が高い抗不安薬です。